〜ジョグジャカルタより〜APEXインターン生のブログ

主にインドネシアにて環境・エネルギーの分野で活動をしている、特定非営利活動法人Asian People's Exchange (APEX)のインターン生としてのブログです。インドネシアで生活していて面白いと思ったこと、当団体の活動やインドネシアの良さを発信していきます。

イスラム教のお祭り 犠牲祭とは?

インドネシアでは2016年9月12日は国民の休日、犠牲祭です。

まず、イスラム教には二つの 'イード' があります。一つは断食明けのお祭り、もう一つは犠牲祭です。7月には断食明け大祭(Idu l-Fitr: イド・アル=フィトル)があり、インドネシアでは日本で言うところのお盆のような長めの休暇がありました。また、9月12日には犠牲祭(Idu l-Adha: イド・アル=アドハ)により国民の休日となります。

昨年の2015年の犠牲祭の頃、僕は学会でマレーシアに行っており、学会後の観光の予定が国民の休日で博物館などが全て閉まってしまうという目に遭いました。その頃は、犠牲祭って何が犠牲になるの?という程度の疑問でした。

 

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創世記に由来する重要なお祭り(儀式)

犠牲祭の起源は遥か昔、旧約聖書の創世記のお話にあたります。

 アブラハムとサラという神様を熱心に信じている老夫婦がおり、信じ続けた結果、高齢にして子どもを授かることができ、その子どもはイサクと名付けられました。ある時、アブラハムは神に試練を与えられ、山でイサクを自分のいけにえにするように言われました。頂上に着き、アブラハムがイサクに対してナイフを振りかざしたところで天使に「その子を殺してはならない!そこの子羊を代わりにいけにえにしなさい。」と言われ、イサクは助かり、子羊が犠牲になってアブラハムらの信仰が示されました。(創世記 15:1-6, 21:1-7, 22:1-19)

もちろんこれはキリスト教イスラム教、ユダヤ教に通じる話ではありますが、'犠牲祭' という習慣に限ってはイスラム教徒特有のお祭りです。

こちらは、犠牲祭の様子が描かれた記事です。

衝撃!! イスラム教の犠牲祭イード・ウル・アザー | インド大好き!ティラキタブロ グインド大好き!ティラキタブロ グ

 

信仰を示し、命に感謝をするための犠牲祭

上記のコーランと創世記のお話から、信仰を示すため、命をいただくことへの感謝の儀式として今でも羊や牛、ヤギを生贄にするという習慣が残っています。

外から見れば、かなり残酷で怖い儀式のようにマイナスイメージに取られてしまうこともあるでしょうが、上記のような神聖な意味と子どもたちにとっての食育効果もあるようです。

 

ジョグジャの様子

ジョグジャでも犠牲祭のために山羊(Kambing)、羊(Domba)、牛(Sapi)が売られており、下の写真のように空き地を利用して牧場が出張しています。

商人のお兄さんに聞いた所、大きさや質にもよるけど山羊は3juta〜4juta(日本円で25,000〜35,000円ぐらい)とのことです。これは食べるために売っているの?と聞くと、なんでそんなこと聞くの?という不思議そうな顔をされました。

 

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               Evaお兄さんのヤギ市場

 

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今回は道端でヤギを見かけたことをきっかけにピンときて記事を書きましたが、自分の勉強にもなりました。自分で犠牲祭を見る勇気はありませんが、また友達から様子を聞いてみようと思います。

それではまた!